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還暦おじさんが大学生の頃、トルストイの「戦争と平和」の文庫本を生協で買って読書に挑戦した。
また、大学の図書館でトルストイ全集の中から「戦争と平和」を探し読み始めたこともあった。
数ページで読み進めなくなり第1巻の数ページ止まりで断念。
それから40年近くが経過し昨秋から市図書館で借りてきて読み始めた。
岩波書店刊 ワイド版岩波文庫 トルストイ著 「戦争と平和」 藤沼貴訳 全6巻
2026年1月2日、 読了。
読後感想の前に、完読できた喜びがめちゃくちゃ大きい。
なぜ読了できたのか考えてみた
夢多き青年からいつの間にか還暦おじさんとなり、目も老眼となった。
読書する条件は悪くなったと思うが、以前より時間が取れるようになったことが今回の読了できた理由と思う。
その上で、以下3点を考えた。
登場人物が多い。トルストイが4年の歳月をかけて書き上げた長編小説。ナポレオンやアレクサンドル1世、クトゥーゾフなど実在した人物や主人公的なピエールやナターシャなど多くの登場人物の織り成す人間ドラマゆえ、結婚で夫婦になったり、不仲になったり、戦争で死んだり、家族関係も当然に複雑であるからこそ「主要人物紹介」に立ち返り読み進めた。
ロストフ家やボルコンスキー家等、主要な貴族家名が6、7家も登場する。また、家族も多い。時代背景から、誰と結婚するかよりどの家のものと結婚するかの方が没落しつつある貴族社会の中でも重要であったりする。
ロシア人の名前は、名前+父称+姓の三つで成り立っている。主要人物のピエールは、正式には、ピエール・キリーロヴィチ・ベズーホフとなる。19世紀初頭のロシア貴族社会では、社交界や家庭内ではフランス語が好まれていたことからフランス語名が好まれたことも名前を複雑にしている。訳本によってピョートルもあればピエールもある訳だ。女性形に変化させる呼び方もあり、実際にはさらに複雑になるが、大概は統一して訳してある。
時代背景は、大変に複雑多岐にわたる。
王政が中心の時代でありキリスト教が権力絶頂の時代から、宗教改革、産業革命の勃興、フランス革命、人権思想の浸透ーそして、ナポレオンの登場。
社会秩序の大変革は、ロシアにも及ぶ。

トルストイも裕福な貴族社会の一員でありながら農奴制の崩壊や、ロシア正教会からの破門など波乱万丈の人生の真っただ中にいる。
心に残ることば
3千頁位だっただろうか。
心に残ることばは書ききれない。
社会に生きる以上、家族や会社や様々な枠組みの一員として生きている。
「人間は運動のなかにあるとき、かならずその運動の目的を自分のために考え出そうとする。千キロ歩くためには、人間はその千キロの向こうに何かいいものがある、と考えずにはいられない。運動する力を持つためには、希望の地を思い描くことが必要だ。」(第4部第2編19)
生きる目標を思い描きながら、今日も還暦おじさんは生きる。

「彼の上には高い空ー晴れわたってはいないが、でもやはり、はかり知れないほどに高い空と、そのおもてを静かに流れてゆく灰色の雲のほか、なにもなかった。《なんて静かで、おだやかで、荘厳なんだろう、おれが走っていたのとはまるでちがう》とアンドレイ公爵は考えた」「フランス兵と砲兵(ロシア軍)とが、互いに怒ったような、おびえたような顔をして、洗かんをひっぱりあっていたのとは、まるでちがうーこの高い、無限の空を流れている雲は、まるでちがう。おれはどうしてこれまで、この高い空を見なかったんだろう?それにしても、おれはなんてしあわせなんだろう、とうとうこの空を見つけたとは。そうだ!この無限の空以外は、すべて空(くう)だ、すべて偽りだ。この空以外には、なんにもないのだ、なんにもないのだ。しかし、それさえないのだ、なんにもないのだ、静寂と平安以外には」(中村白葉訳・河出書房新社)
戦争なんでまっぴらだと思う。
しかし、世界では、戦争が絶え間ない。
「戦争と平和」の、戦闘シーンの情景には圧倒された。
ペーチャが、戦争で簡単に死んだりして、戦争というのはそうゆうものだと合点した。
これからも、未踏の読書に励もうと強く思った。
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