5月1日付け新潟日報トップ記事のタイトルである。
統計の概要
900万戸の内訳は
借り手のない賃貸物件 | 443万戸 |
売却物件 | 33万戸 |
別荘 | 38万戸 |
使用目的なし | 385万戸 |
住宅総数は6502万戸で前回比261万戸。居住者の居る住戸5565万戸で前回比203万戸。建築中は40万戸。
空き家が全国で7戸に1戸、毎年に換算すると年間約10万戸も増えているというのは大変な数字である。
空き家ももとは暮らしの場
本日5月2日の新聞コラムにも次の通りあった。
「廃屋はもう、朽ち果てていくしかないけど、空き家は違う。また生活が始まるかもしれない」。重松清さんの小説「カモナマイハウス」に、こんな印象的なセリフがある。役職定年となって、出向先の不動産会社で空き家のメンテナンスに携わる主人公のつぶやきだ。
▼曲がり角を迎えた自らの人生と、すみかというものの行方とを重ねた感慨だろう。この物語は、いま、日本中で増え続けている空き家をめぐるリアルな悲喜劇だ。作中に、全国の空き家の数は2018年時点で849万戸というくだりがある。おととい発表された23年の統計ではこれを大きく更新し、900万戸に迫った。
▼住宅数に占める割合は13.8%。これらの空き家のうち、長期にわたって居住や使用の目的がない「放置空き家」は385万戸。共同住宅のなかの物件は502万戸……。思えば、じつに膨大な数字である。人の住まぬ家は災害に弱く、犯罪の温床となり、まちづくりの障害になろう。マンションであれば建て替えを阻む。
▼小説には、やり手の「空き家再生請負人」が登場する。火葬を待つ遺体の安置所に使うといった手法に周囲は戸惑うが、多死社会の現実を直視させてやまない。ちなみに「カモナマイハウス」とは、戦後復興期に江利チエミがカバーした名曲のタイトルだ。家(うち)へおいでよ わたしのお家へーー。そこに、暮らしがあった。
2024年5月2日付け日本経済新聞「春秋」
空き家の増加は社会問題化して久しい。平成26年には「空家等対策の推進に関する特別措置法」が交付された。
能登半島地震でも顕著になったが放置空家が全壊し復旧の大きな妨げになっていることは周知の事実だ。衛生上、景観上、防犯上にいいことはないのである。
根底には少子高齢化、地方の人口減少という大きな問題が潜んでいる。当事者世代で決着がつかず代を重ねて相続が難しくなることは必然である。だから、戸籍を辿ると江戸時代まで行きつくみたいな話にもなるのだ。
住みよい地域社会の発展のためには空き家を増やさないこと、空き家を減らす事。
- 住居の所有者は家族関係を良好にする
- 財産権である所有権等の名義人は次世代に承継していく準備を早くから行う
- 社会の仕組みとして、住居の所有者、業者、行政がウインウインとなる仕組みを作っていく
https://www.nhk.or.jp/minplus/0145/topic001.html
これから「空き家」問題を少しでも解決できるように共々に取り組んでいきたい。
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