日本三大花火のひとつ「長岡花火」の季節がやってきた。少し早いようだがコロナ禍を経て有料観覧席チケット販売が長岡市民先行販売の開始が始まったのだ。
長岡花火は毎年、8月2日・3日に新潟県長岡市の信濃川河川敷で開催される。
有料観覧席販売スケジュールは以下の通りだ
- 本日現在~4月30日 長岡市民先行販売 抽選申込受付
- 5月24日まで 抽選結果のお知らせ(入金期限5月31日まで)
- 5月27日~6月7日 一般販売抽選申込受付 受付方法はインターネットのみ
- 6月17日 抽選結果のお知らせ
- 7月中旬 チケット送付
先日、長岡花火に関するニュースが大きく報道された。
「長岡市民先行販売」と「一般販売」ではチケット価格が大きく異なることになったのだ。
観覧場所によるが定員1人最大10人申し込み可能な「北エリア席」市民1,000円が一般2,000円とか1マス定員8人最大2マス申し込み可能なベンチ式マス席が市民32,000円が一般48,000円となるそうだ。
値段はともかく、多くの観覧者を魅了する長岡花火は度肝を抜くスケールで一度現場で見ると忘れることが出来ない。
戦争で亡くなった方々を追悼しそして災害からの復興を原点に始まったのが長岡花火でもある。
今日の朝刊を手に取ると「長岡花火」の文字が目に飛び込んできた。
暗い夜空に次々に花火が打ち上げられる。光の輪が輝きながら大きく広がり、辺りをびっしり埋めつくした人々からいっせいに歓声が上がる。その壮大なパノラマを、色紙を細かく切って表現した。空気の震えまで伝わってきそうな、山下清の貼り絵「長岡の花火」だ。
佐賀県立美術館で開かれている回顧展を訪ねると、たくさんの人が作品の前で足を止めていた。数々の傑作の背景に、画家の放浪癖があったことは広く知られている。旅から戻ると驚くべき記憶力を発揮して、目に焼きつけてきた風景を作品にした。画家を放浪へと駆り立てたきっかけの一つには、徴兵への恐怖があった。
いま私たちが目にしているのは、人をうっとりと楽しませる花火とは逆の光景。うなりをあげて空を切り裂き、人々から平和な暮らしを奪うミサイルの姿だ。つい先日も遠い海のかなたの夜空を、オレンジの光が飛び交う映像が飛び込んできた。次はどこが標的になるのか。報復が報復を呼ぶ連鎖への懸念が高まっている。
「戦地へ行ってこわい思いをしたり 敵のたまにあたって死ぬのが一番おっかない」(「裸の大将放浪記」)。かつてそう記した画家が、亡くなる前に残した言葉は「ことしの花火見物はどこへ行こうかな」だった。終戦から二十数年。穏やかな日常の尊さを示す。人の脳裏に焼きつくものが、破壊の炎でいいはずがない。
2024年4月18日付け日本経済新聞「春秋」
平和を願う長岡花火を皆で楽しんでいきたい。
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